区域外再送信

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区域外再送信(くいきがいさいそうしん)とは、有線テレビジョン放送事業者 (CATV) 、または電気通信役務利用放送事業者の業務区域(サービスエリア)にて、それら放送事業者が他の都道府県に所在する地上波放送局の電波を受信して、放送の再送信を行うことである。

概要[編集]

地上波放送局電波法に基づいて放送免許が与えられる際、免許状には対象の放送区域が記載され、原則的には県域放送、また関東中京近畿については広域放送とされている。尚、衛星放送及び短波放送は、全国に向けて放送している為、区域外には当たらない。

現在、ケーブルテレビ局などで実施されている区域外再送信は地上アナログテレビジョン放送が中心で、日本民間放送連盟地上デジタルテレビジョン放送ではデジタルコンテンツ等の番組著作権保護・番組出演者の肖像権保護・地上波放送の根幹である地域免許制度と相容れないことなどから、区域外再送信を全面的に認めない方針を打ち出している[1][2]。一方、NHKではアナログ・デジタルを問わず総合テレビ・教育テレビでの区域外再送信を禁止する方針は一切出されていない[3]。CATV局サイドは「アナログはいいのになぜデジタルはいけないのか」というCATV加入者からの質問に答えられなかったり、デジタル化で放送対象地域外の民間放送局が視聴できなくなるとCATV解約者が増える心配を持っている。

ただし実際の運用については、各放送局ごとに任されており、現時点でデジタル放送の区域外再送信は一部の独立UHF放送局などでは実施されている。放送対象地域外の放送局が、CATV提供地域の全世帯でCATVに加入しなくてもUHFアンテナで直接受信できる場合はその放送局を区域外再送信している場合があったり、アナログと同様の体制を取っている所も出始めている。[4]

なお、区域外再送信は技術的な問題から、近隣の都道府県の地上波放送局を受信することが多い。

ケーブルテレビでの区域外再送信[編集]

概要[編集]

ケーブルテレビ(CATV)放送事業者の中には、区域外再送信を実施していることがある。近隣都道府県の地上波放送を受信するが、サービスエリア外での受信になる為、CATVではその電波を山頂など高台の受信点から高性能アンテナを設置して捉える方法、または地上波サービスエリア内に受信点を置き、受信した電波を専用回線を通じてCATVに届けられる方法で受信している。

区域外再送信を実施する理由としては、地上波民放チャンネル数の格差(情報格差)是正としてその地域にキー局フルネット局(テレビ東京系を含む)及び独立UHF放送局が存在しない場合がほとんどである(茨城県を除く関東広域圏は区域内再送信だけでキー局5局及び独立局計6局すべてがカバーできているがそれ以外の道府県ではこれが達成されていない)。特にテレビ東京TXN系列は全国6局のみで構成している為、他のテレビネットワークと比較して、地方までカバーされておらず、各世帯での直接受信の場合に技術的・費用的な問題が発生してくる為、CATV局に加入してTXN系列局を受信する需要が多く、CATV局もその点をセールスしている。

またTXN系列以外にも、地元の民放局が4局未満の地域(青森県秋田県山梨県富山県福井県鳥取県島根県山口県徳島県高知県大分県佐賀県宮崎県沖縄県)では、地元に存在しないネット局をカバーする為に再送信を行う場合もある(沖縄県を除く)。また珍しいケースとして、近畿地方のCATV局の一部では、NHK総合テレビにおいて、県域局(大津京都奈良和歌山神戸のいずれか)と基幹局である大阪局の2局を再送信している(一部はアナログ・デジタルともに)が、J:COM関西の宝塚・川西局、和歌山局では大阪局の再送信を2006年5月をもって中止した。

また、鳥取県西部の中海テレビ放送では、NHK総合テレビにおいて、地元局である鳥取局と近接地域である松江局の2局を再送信(一部はアナログ・デジタルともに)している。山梨県の大月テレビ利用者組合でもNHK総合テレビにおいて地元局である甲府局と東京局(首都圏広域放送)の2局を再送信している。

ただ区域外再送信を実施する場合には再送信する区域外の放送局、及びその区域内に存在する放送局(地元局)の同意を得る必要がある。しかし1980年代までに開局したCATV局では、開局時点で地元のネット局が充分に整っておらず、仮に存在していた場合においてもクロスネット局であったり、テレビ局の中継局が無い為に難視聴地域であるなどの理由で、必ずしも地元局に同意を得る必要は無かった。現在では当時のCATV事情とは異なっており、また営利目的で運用を行っている一般的なCATV事業者が同意を得ずに区域外再送信を実施した場合は、有線テレビジョン放送法に触れるため、各CATV事業者は事前に放送事業者へ再送信同意を求めるのが一般的である。

尚、テレビ北海道は一部地域の中継所が未だに未整備である為、直接受信が困難な地域の中で帯広市釧路市が、札幌市内の受信点で受信して光ケーブルでCATV局に伝送し、加入者に再送信を実施しているが、この場合においては、同局のサービスエリアが北海道内全域になっているので区域外再送信では無い。

区域外再送信の行えないケース[編集]

再送信する区域外の放送局の同意が得られないケース[編集]

上記のケースでは、テレビ東京が代表的である。

同局を他のキー局と比較すると、資本面・ネット局の構成数を見ても分かるとおり物量的に圧倒的に不足している為、同局では経営維持策の一環としてTXN系列の存在しない地域で系列外のテレビ局に番組販売(番販)を行っている。

その為、番販が行われている地域で、CATV局が区域外再送信を行うと、番販需要が減少してしまい、経営面でマイナスが出てくる可能性がある為、今後新たに開局する同局(一部TXN系列局も含む)のサービスエリア外のCATV局(TVQ九州放送から再送信許可を出している佐賀県は除く)については再送信を許可していない。[5]

したがって、関東広域圏、北海道、愛知県、大阪府、岡山県、香川県福岡県(今後の展開次第では宮城県静岡県京都府兵庫県広島県も)で今後新たに開局するケーブルテレビ局または前述の地域で現在TXN系列地上波局の再送信が行われていない既存のケーブルテレビ局でのみTXN系列地上波局の再送信を許可している[6]

しかし、キー局と系列局との足並みが揃っていない現状も垣間見える。テレビ東京やテレビ大阪が区域外再送信に厳格(東京は番販問題、大阪の場合はテレビ大阪側よりも広域民放側の強い反対による理由が大きいが、アンテナで直接受信可能な地域ではテレビ大阪側も広域民放側も同意を得るケースがある。)なのに対し、テレビ愛知は三重県内や岐阜県内の難視聴地域に地デジの再送信同意を出した。またTVQ九州放送佐賀県内の難視聴地域CATVに対し福岡民放の中で一番早く再送信同意を出すなど、キー局との温度差があるのが現状である。またテレビせとうちは大臣裁定(民放連は「大臣裁定」の撤廃を求めている)で高知ケーブルテレビに再送信同意を出したという過去があるので、今後の対応が注目される。テレビ北海道は他の地域とは事情が異なるが、東京・大阪と同じく区域外再送信に厳格であることに近いといえる(直接受信できない道東地方全域と道北地方の一部地域などの難視聴地域に関しては当然ながら北海道内の放送対象地域内となるため再送信は許可される)。

なお、有線テレビジョン放送法では、大臣裁定の申請があった場合は「再送信に係る同意をしないことにつき正当な理由がある場合を除き、当該同意をすべき旨の裁定をするものとする」とされており、基本的には同意すべきとの立場を取っている。実際に、大分県の事業者から出された福岡県の民放の地上デジタル放送の再送信同意を求める裁定の申請は認められる方針と報じられている。[7][8]

また、弊害として日本シリーズのテレビ中継などで、同局が放映権を獲得した場合、番販購入している系列外のテレビ局では多くの局で生放送が難しく時差放送・録画放送となり、番販購入もしていなければ番組自体も未放送となる。その為、企業利益最優先の番販に重点を置くテレビ東京の姿勢には、ネット局が地元に存在しない地域の視聴者のなかにはどのチャンネルで日本シリーズ戦を放送しているのかわからないといった不満が出ている。また同局系列のBSデジタル放送局BSジャパンが、衛星放送の利点を生かして全国一律に放送する措置が取られる場合もあるが、バラエティ番組や音楽番組では著作権肖像権の問題が依然残る為、抜本的な解決には至っていない。ちなみに日本シリーズ戦をテレビ東京系が放送する場合はNHKもBS1で放送するためテレビ東京系がない地域をカバーしている。

地上デジタルテレビジョン放送の区域外再送信不可に関しては前述通り、番組制作の著作権・番組出演者の肖像権保護の観点や地域免許制度に相容れないことなどから日本民間放送連盟が各民放局に区域外再送信に同意しないように指示しているため、「再送信する区域外の放送局の同意が得られないケース」に含まれる。

区域内に存在する放送局の同意が得られないケース[編集]

仮に区域外再送信が実施された場合に、視聴可能なチャンネルが増えたことにより、1局あたりの視聴者数、ひいては視聴率が低下することで地元局の広告収入が減少する可能性も有り、区域外再送信同意の許可を出さないケースもある。

上記のケースでは、テレビ和歌山独立UHF放送局)・テレビ熊本FNS系列)が代表的である。2局ともTXN系列の番組を番販で多く購入している為に和歌山県ではテレビ大阪の、熊本県ではTVQ九州放送の区域外再送信が出来ない原因になっている。

徳島県においても、唯一の地元民放局四国放送が地元CATV局の東阿波ケーブルテレビに対して様々な圧力を掛けた為、四国放送と同じ県域放送のテレビ大阪(TVO)・サンテレビジョン(SUN)・テレビ和歌山(WTV)の区域外再送信が2005年10月31日突然中止となった。当然の如く区域外再送信と言う言葉さえも知らない視聴者からの抗議が殺到、その結果、東阿波ケーブルテレビと四国放送が話し合いを重ねた結果、2006年2月1日からとりあえず再開された。しかし、今後新規開設CATV局に対して四国放送は、同一系列の讀賣テレビ放送を含む近畿広域民放4局に対して同意の許可を出したとしても、徳島県外の県域放送に対しては一切の同意の許可を出さないとの方針(なぜ、四国放送と同一系列の讀賣テレビ放送が再送信出来て、系列の異なるTVO・SUN・WTVの再送信が出来ないのか理解に苦しむ県民も多い)。また県内のCATV局(一部を除く)もいつ放送中止させられるか懸念の色を隠せない。実際、アナログ放送ではTVOテレビ大阪を再送信されていてもデジタルでは四国放送側の意向により再送信されていないケーブルテレビ局もあるため、これが完遂されるとTVO・テレビせとうち(TSC)がアンテナで直接受信できる地域以外では四国放送による番販か、BSジャパンで視聴しなければならなくなる。

高知県においては、地元民放3局(特にテレビ朝日からの番販購入が多い高知放送テレビ高知が反対していると思われる。)がテレビ朝日系列局の再送信に反対している為、高知市と高知市周辺部をエリアとする高知ケーブルテレビでは瀬戸内海放送愛媛朝日テレビ朝日放送のいずれも再送信されていない。しかし、宿毛市の西南地域ネットワークと四万十町の四万十CATVでは愛媛朝日テレビが再送信されていることから高知県内でも温度差が表れている。

またテレビ局の資本構成関係が大きくかかわっていることも多い。政令指定都市でもある広島市のCATV局でテレビせとうち(TXN系)の区域外再送信が実施されない理由について、再送信実施による費用の問題や、地上デジタル放送による中国放送とのチャンネル混信を表向きは上げているが、実際は資本元となっている広島県内のテレビ局(特に中国放送)が同意の許可を出すつもりが無い為。

長野県長野市を放送エリアとしているCATV局・INC長野ケーブルテレビでは、長年東京民放地上波5局の区域外再送信を実施していたが、突然長野県に唯一系列局の無いテレビ東京(TX)を除く4局の再送信を中止した。この突然の再送信中止の原因は、INCの筆頭株主である信濃毎日新聞系列の地元民放局 信越放送 (SBC) から営業面で不満が有り、結果として再送信中止の圧力が掛かった為である。但し長野県内主要ケーブルテレビ局のほとんどが、現在も東京(地域によっては中京)民放地上波の区域外再送信を継続しているので、多くの視聴者からの強い反発が依然有る。

またこれ以外でも前者と後者は同地域(隣接地区)を放送対象地域としていても、この地域(地元)に系列局のない局は再送信し、この地域(地元)に系列局のある局は再送信しない例は少なくない。

技術的な理由で区域外再送信が不可能なケース[編集]

TVQ九州放送が長崎県五島市鹿児島県沖縄県で再送信されていない理由は、福岡県から距離が離れすぎて遠いことや、その間にも多くの山地が存在しており、電波をそこまで引き込むことが技術的に難しい為である。[9]

北近畿の一部でテレビ大阪が再送信されていない理由は、多くの山地による地形構造の為、受信点で電波が受信出来ない為である。

NNN系列が存在しない沖縄県で、鹿児島讀賣テレビが再送信されない理由は、奄美諸島から沖縄県までの距離が離れており、海底ケーブルを敷くにしても費用負担の問題などから高コストが避けられない為である。尚、沖縄本島北部の一部地域では、高利得アンテナにより直接受信も可能であることが確認されている。[9]

また上記のような距離や地形の問題以外でも、再送信する区域外の放送局のチャンネルとその区域内に存在する放送局(地元局)チャンネルが重複している、若しくはチャンネルが近い場合も混信の問題から再送信が難しいとされる。

新潟県上越市のCATV局ではテレビ東京を再送信しているが、それ以外の新潟県のCATV局ではNHK新潟放送局教育テレビジョンに、また宮城県のCATV局では仙台放送に、テレビ東京の電波が潰され、受信点での受信が不可能な為に再送信が出来ない。

三重県紀勢・東紀州でテレビ愛知が再送信されない理由は、中京テレビ放送熊野中継局とチャンネルが重複しているためである。

2003年頃から実施された地上デジタルテレビジョン放送に伴うアナアナ変換によって、チャンネルが重複しているケースも増えてきており、その為に長年実施していた区域外再送信を断念することが増加している。(長崎市のCATV局でTVQ九州放送を除く、福岡民放局の再送信中止など)

CATV局のチャンネル数確保によるケース[編集]

CATV局では地上波以外にも、様々なジャンルでチャンネル数を増やしてサービスを充実させたいので、特に地元に系列局が既に存在するにも関わらず、わざわざ区域外再送信で同系列のネット局を増やしても、早朝・深夜など一部の時間帯以外はほぼサイマル放送に近い番組編成になってしまい、再送信可能なチャンネル数にも限界がある為、CATVへの大幅な加入者増加が見込めないと考え、区域外再送信を中止した事例もある。

難視聴地域問題対策から全国一律化の動き[編集]

難視聴地域問題の解決のため人工衛星IPを利用した再送信利用が進んでいる。 総務省は、以前IPによる再送信の問題として、著作権保護の問題と放送エリアを制限する地域限定性の確保(区域外再送信の禁止や難視聴地域のみ)技術上の問題を議論してきたが、2007年に地上デジタル放送の再送信同意をめぐる大分県のCATV業者への裁定として、「再送信同意制度・IPによる再送信と著作権制度は別のもの」であるとし、また区域外再送信は地域免許制度を形骸化との批判について「有線テレビジョン・IPによる再送信と関係がない」としている。

総務省は、著作権問題は民事的に有償で解決し、視聴可能地域への再送信を事実上容認したことで、エリア外への放送制限を完全に否定した。これにより、全国一律にIPによる再送信を容認する政策に大きく転換し、放送と通信の垣根が一層低くなった。通信事業者も政策転換に注目している。

総務省は「情報の選択は視聴者の自主性が尊重されるべきであり、放送事業者が一方的に決定・制限できる事項とは認められない。」という大原則を打ち出しており、これにより事実上地域免許制度が電波利用権のみでしか意味をなさなくなり、ハードとソフトの分離、つまりコンテンツの重要性が増してきている。もはや県域放送免許制の終焉であろう。

IPによる再送信への大手通信事業者の参入について、CATV事業者の反発があるが、再送信同意の裁定の精神では矛盾し理由がない。今後競争が進展しそうだ。 また関東広域放送局の影響力が強まるにつれて、放送局報道を除くハード(放送)とソフト(コンテンツ)の分離に注目されている。ただ省内で情報通信審議会の部会同士の意見が対立したままの再送信の裁定であり、政府としても放送政策として一貫性がないという批判もある。

さらに、総務省開発したP2P技術を利用したIP再送信ソフトKeyHoleTVの登場でその動きが加速している。テスト用だが、2007年の5月から7月の2か月間、総務省が関東広域放送を全国一律にIP再送信を実施し、事実上IPの全国一律再送信化の実績を築いたことになる。今後、持株会社解禁とともに、総務省が理想とする関東広域放送の完全全国放送化への布石であり、実質県域免許制度の廃止および地方局の経営を事実上圧迫して持株会社に経営統合させる動きの加速である。ただ総務省のこの一方的な動きに対して、民放各局、特に地方局の批判・対立が強まりつつある。

2007年9月現在、完全地上デジタル放送までに発生する難視聴区域に対し、主に衛星による再送信が検討されているが、IPによる再送信の意見も捨てられていない。 ただ、難視聴区域に制限する予定であるが、今までの総務省の政策に矛盾し、一貫性がないと批判されている。

問題点[編集]

  • 地上波放送局は放送法に基づいて、放送対象地域が定められているにも関わらず、区域外再送信によって免許で定められた対象地域外に再送信を行っている点。(ただし、総務大臣裁定では、放送上の免許エリアと、区域外再送信は別問題であると明言している)
  • 法律によって放送対象地域が決められているが電波の性質上、各都道府県ごとで電波を区切ることは事実上不可能であり、現行法そのものが時代にそぐわないと思われる点。
  • 国からの免許制度で成り立っている放送局が区域外再送信を制限することは、視聴者の知る権利幸福追求権に反しているという点。
  • 区域外再送信は番組著作権侵害や番組出演者の肖像権侵害となっている(例えば、映画(番組)を映画館内(放送対象地域内)の人だけに見せるようにしているのに、映画館の外(放送対象地域外)から映画館内をのぞき見(区域外再送信)されている)こと。
  • 各地域にて、受信できる民放数に違いがあることに大きな問題がある。受信できる局が少ない地域や区域内放送局だけでは、すべての系列番組を見ることができない地域では、直接受信を含め、ケーブルテレビによる区域外再送信を要望することは当たり前のことであり、地域によって格差が出ている点。(特に、TXN系が受信できないエリアではその要望は根強い。)
  • 日本民間放送連盟が地上デジタルテレビジョン放送での区域外再送信を全面的に認めない方針を打ち出しており、今回を機に放送対象地域の厳正化を目指しているが(あまり実現はされていない)、県内に民放テレビ局が1~2局しか存在しない山梨県福井県徳島県佐賀県宮崎県は、現在近隣の関東広域圏・近畿広域圏・福岡県など放送対象地域外にあたる民放局のアナログ放送での区域外再送信を続けていたが、仮にデジタル放送では再送信を認めない場合に、大臣裁定[10]による決着も一部では言われており、CATV局側がどのような対応に出るのか注目される。なお、徳島県(広域放送のみに特例。中でも毎日放送は、いち早く徳島県内での区域外再送信に同意した。)、佐賀県(TVQ九州放送は、いち早く佐賀県内での区域外再送信に同意した。)は特例地域に位置づけられている。
    • 徳島県については毎日放送朝日放送関西テレビ放送が、佐賀県については福岡県の全民放が地上デジタル放送の区域外再送信に同意しており、一部ケーブルテレビ局では放送対象地域外の民放局の地上デジタル放送での区域外再送信が行われている。なお、佐賀県については、CATV事業者の共同出資により設立された佐賀デジタルネットワークに対してのみ再送信の許可が出されており、各社はこの会社に出資・回線を接続して再送信を行う形をとる。
    • 山梨県は特例地域にはなっていないものの、テレビ朝日フジテレビが山梨県においての地上デジタル放送の区域外再送信に同意している(地元民放局の山梨放送・テレビ山梨もテレビ朝日とフジテレビのデジタル放送再送信の許可を出している)。情報格差是正のための温情措置といえる。
    • NHKについては放送対象外地域の地方放送局から出される総合テレビ・教育テレビにおいての地上デジタルテレビジョン放送での区域外再送信を禁止することについては一切触れられていないため一部CATV局では総合テレビが2局以上再送信されているところがある。
  • 兵庫県の場合、テレビ大阪が放送対象地域外[11]にあたり、アナログ放送では区域外再送信を行っている局もデジタル放送は区域外再送信を認められない(正式には広域民放局4局の反対による)ケース[5]がほとんどである。ケーブルネットワーク淡路などにおいては、在阪各準キー局並びに総務省近畿総合通信局の再送信同意を得た為、テレビ大阪の地上デジタル放送の再送信が可能になった。
    • したがって、BSデジタル放送BSジャパンを見られる環境にない世帯はデジタル放送でのテレビ東京系番組を視聴できなくなる可能性がある。これは、他の地域では系列外局が番組購入の形で放映して一部でもカバーできる場合はよいが、地元サンテレビジョンの電波が大阪府のほとんどに届いている[12]などのため、サンテレビジョンではプロ野球日本シリーズなどの特別番組を除き、通常番組は一切放映されていない。
    • こういった事情を作ったのは免許制度で放送局にエリアを決めた総務省と、テレビ大阪も当初は広域局で免許を申請しかけていた事情から先発広域民放局や独立U局が反対したことに責任があるものと思われる。同様に京都府でも地元京都放送がごくわずか放送しているが、デジタル放送では見られない(見られなくなる)可能性がある。
    • 近畿広域民放局は、テレビ大阪の再送信を反対する理由として、経営上の理由としているが、視聴者はテレビ大阪の区域外再送信を強く要望しており、同局で放送されるTXN系列番組の優良コンテンツを視聴する希望が大きくあるためである。視聴者は、区域内再送信であろうが区域外再送信であろうが関係なく、全系列番組を視聴したいといったことが当たり前になりつつある。放送局は経営上の理由としているが、例え、区域外再送信が進むようになっても、優良コンテンツ・視聴者を引き付ける番組作りさえ行っていれば、経営には大きく響かないと思われる。
    • テレビ大阪が、兵庫県・京都府両県へ放送対象地域が拡張される可能性があり、これが実現すると両府県の全ケーブルテレビ局で「区域内再送信」として再送信されることになる。
    • 詰まるところ、区域外再送信の問題はスポンサーによる資金力、放送エリアの広さ、それらによるコンテンツの量の差など情報格差の問題である。

主な例[編集]

その地域に民放系列局がない例[編集]

クロスネット局のサブネット、その地域で放送対象地域内の局であっても、受信不可能な場合も含む)

eo光テレビのデジタル除く
※eo光テレビのデジタル除く

その地域に系列局がある例[編集]

(地元系列局でありながら放送されていない番組も存在するため視聴するのには大変便利であるともいえる)

再送信が廃止された例[編集]

NHK総合テレビジョンが2局再送信されている例[編集]

(放送局名の後につくAはアナログのみ Dはデジタルのみ 無表記はアナログ・デジタルともに再送信されている)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

脚注[編集]

  1. 西正 『関西で火の手が上がったCATVの「区域外再送信」問題ITmedia、2004年5月20日。
  2. この方針が完遂されれば、一般家庭に取り付けられているアンテナでの直接受信でしか放送対象地域外の民間放送局の視聴ができなくなる。そのこともあるため、視聴者からの不満が上がっているといえる。
  3. 近畿地方と鳥取県の一部地域では総合テレビにおいて地元局と隣接地域の2局が再送信されている。
  4. 西正 「区域外再送信問題、いよいよ決着へITmedia、2005年3月31日。
  5. 5.0 5.1 特に近畿圏のeo光テレビの場合はデジタルは基より、アナログの区域外配信を原則行っていない。(但しK-Cat提携の大阪府(四条畷市田原地区除く)では京都放送=一部除く、サンテレビジョンのアナログを再配信している。また近鉄ケーブルネットワーク=KCNと提携する奈良県と四条畷市田原地区では奈良テレビ放送テレビ大阪をアナログ・デジタルとも、サンテレビはアナログのみそれぞれ区域外再配信している)
  6. アンテナによる直接受信が不可能な場合でもTXN系列地上波局の放送対象地域内であれば再送信を許可している。
  7. ケーブル局へのデジタル放送転送 民放へ同意求め裁定へ
  8. CATVの区域外再送信、総務相が容認裁定へ
  9. 9.0 9.1 沖縄県では全てのケーブル局で県外区域外配信が行われていない。(但し沖縄本島北部の一部で鹿児島県のテレビ局を直接受信できる地域はある)
  10. 民放連は大臣裁定の撤廃を求めているケーブルテレビ区域外再送信を求める「大臣裁定」申請についての会長コメント
  11. アナログ放送については兵庫県南東部と淡路島東部で視聴可能であるが、デジタル放送では阪神南地区以外では視聴困難となる。
  12. 地上デジタル放送でもさほど変わらず、大阪湾沿岸地域で視聴可能である。
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