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'''右翼'''(うよく)とは、必ずしも同列に並べることは出来ないが、[[民族主義|民族主義者]][[王党派]][[反共主義|反共主義者]]や[[保守]]勢力の総称である。'''右派'''(うは)ともいう。
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'''右翼'''(うよく)とは、[[鳥類]][[航空機]]の右側の翼のことである。対義語は[[左翼]]
  
尚、国内の右翼の中には非合法組織である暴力団が偽装化したものもある。
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鳥類においては、[[心臓]]より遠い右翼が左翼に比べて[[血圧]]が低いとされる。そもそも翼はその面積に比して体積が小さいことから表面からの熱放出が大きい。さらに陸上では翼は運動せず、しかももっとも外気に触れやすい場所にある。そのため右翼末端の毛細血管は全身の中でもっとも冷たくなり、血流も悪くなる。寒冷地域ではこれを解消するために、鳥類はしばしば翼をばたつかせる。このとき、心臓より遠い右翼を左翼より余計にばたつかせることが知られている。種によっては、飛行時以外は右翼の先端を左翼の下にしまう形にしているものもある。
  
== 概説 ==
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航空機においては、[[機長]][[コックピット]]の左側に座る。つまり右翼の先端部は、機長を通り進行方向に平行な直線からもっとも遠い場所となる。そのため機体感覚に乏しい機長が狭所飛行を行う際には、右翼の先端を障害物に接触させることがある。とくに大型の航空機や、狭所飛行の必要がある場合は、右翼先端部にカメラを設置し、接触事故を防止することもある。
[[フランス革命]]後の[[議会]]で、[[議長]]席から見て右側の席を保守派が占めた事に由来する。基本的には社会主義や共産主義など左翼思想に激しい敵愾心を持つが、同時に左翼思想の強い影響を受けてもいる。それゆえ、一部の右翼思想(例えば[[ファシズム]])を「社会主義の亜流」として"左翼"と見る見方もある。
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シンボルカラーは{{Color|gray|[[白]]}}で表現される事が通例だが、特にファシストは[[ファシスト党]]のシンボルカラーから{{Color|black|[[黒]]}}で表現される事が多い(通常、黒は[[アナキスト]]のカラーである)。ナチスは[[褐色]]がシンボルカラーであり、共産革命色とされる[[赤]]も使用した。またファシズム・ナチズムのスタイルの一つとして[[ナチス式敬礼]]がある。右手を前方に突き出すものである(古代ローマに由来する)。
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[[Category:航空機]]
 
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[[Category:鳥類]]
自民族に対する人種的優越論を持ち出して[[民族主義]]に走る、国内に住む少数民族、[[移民]]や[[外国人労働者]]の排斥を訴える[[排外主義]]などの行動をとる、一部の極端に過激な[[政治思想]]を持つ右翼の事を[[極右]]と呼ぶ。
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[[欧米]]における[[プアホワイト]]の事例のように、国内の低取得者層が現状に対する不満から、[[社会的少数者|マイノリティー]]や[[移民]]などの攻撃し易い勢力に怒りの戈先を向ける事から発生する右翼運動もある。
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== 日本の右翼 ==
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{{see also|保守#日本における保守主義}}
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日本における右翼のイメージは、黒塗りの街宣車で街宣活動を行う右翼団体([[街宣右翼]])に代表される。本項でも主に任侠右翼・街宣右翼を中心に記述する。
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[[新右翼]]と呼ばれる潮流は、[[新左翼]]と共闘するなど、概して従来の右翼のスタイル・思想と様相を異にする。したがって個々の運動や組織の中には、必ずしもここで述べられていることに該当せず、むしろ正反対に近い右翼もいることも忘れてはならない。
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=== 日本における右翼の歴史 ===
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日本の右翼が思想的に起源を主張するのは近世の[[国学]]であるが、通常国学を右翼と呼ぶ人は少ない。
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近代に入り、日本各地で[[自由民権運動]]が発生し、激しい反政府運動が盛り上がった。政府はこれをしばしば公権力とともに[[任侠]]集団をけしかけて自由民権運動を取り締まったり集会を妨害した。明治時代の末になると社会主義思想が日本にも波及してきた。政府はこれに自由民権運動以上の拒否反応を示し、公権力と任侠集団で取り締まりや妨害を行った。これらの任侠集団は明治元勲たちとも結びつきが強く、社会主義に反対し、国家を擁護する政治団体を結成した。これが「[[任侠右翼]]」の起源である。
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現在では[[暴力団対策法]]以降、[[暴力団]]組織が[[右翼団体]]に資金を提供して、国家に対抗する手段を取っており、右翼が反権力を主張しているのが特徴である。
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[[1920年代]]、[[世界恐慌]]が日本にも波及してくると、左翼からの転向組や一部の国学の系統を引く日本の保守思想家の中には社会主義から強い影響を受け、「国家社会主義」というグループも現れた。この潮流はやがて[[戦時体制]]という形で事実上取り入れられた。
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敗戦により、[[連合国軍最高司令官総司令部|GHQ]]は、左翼や自由主義思想を自由化する一方で、日本の「[[国家主義]]思想」を統制。しかし、[[冷戦]]の開始とともにGHQは「[[逆コース]]」へ転換、左翼思想を抑制する政策を取る。1951年には、[[木村篤太郎]]法務総裁(後に法務大臣)が当時の金額で3億数千万の予算をつけ、[[テキ屋]]、暴力団、右翼をまとめた「反共抜刀隊」を政策として立案したが、[[吉田茂]]首相に相手にされずに頓挫した。1960年には[[アイゼンハワー]]大統領来日を歓迎・支援するために、自民党安保委員会が、全国のテキ屋、暴力団、右翼を組織して「アイク歓迎実行委員会」を立ち上げ、左翼の集会に殴り込みをかけさせた。これらの動きに伴い、黒塗りの[[街宣車]]で大音量の[[軍歌]]を流す、典型的な街宣右翼が登場した。しかしそのような、活動資金を得る手段として親米反左翼の暴力的活動を行う右翼は多くの国民の支持を得ることはなく、強い批難を受けた。
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1960年代後期になると、従来の任侠右翼による街宣活動に反発を持つ右翼活動が、街宣車を用いず、もしくは白い街宣車で普通の政治団体や市民団体のような活動をするという、「新右翼」という新しい潮流も見られるようになる。
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=== 活動内容 ===
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街宣右翼の主な活動としては、[[第二次世界大戦]]後の[[大衆]]の目に触れる非常に典型的な街宣など、[[街宣車]]を使って自分たちの政治的主張や[[軍歌]]や[[君が代]]などを流して回る、というものがある。暴力団と表裏一体で、企業へ機関誌の購読、機関誌への広告(発行に協賛する名刺広告)掲載を名目に資金提供を要請する。断ると、街宣車でその企業の周りを周回し、嫌がらせを行う。街宣右翼は暴力団対策法が成立した以降に、警察や国家の取締りに対抗している暴力団系右翼(任侠右翼)であり活動内容も極めて非合法なものが多い。不祥事があった企業に街宣車で押しかけ、その企業が十分な「反省」を行うまで抗議活動を行う。「反省」は、右翼団体へ活動資金を「提供」する行為である。企業周りをして、活動資金の提供を受けていたこれら右翼団体も、[[暴対法]]施行後は、企業からの資金提供を断られることが多くなり、資金難に陥った。
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[[新右翼]]・[[民族派]]の活動については、当該項目を参照。
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=== 政治的主張 ===
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[[日本]]の右翼の主な政治的主張とよく言われるのが「[[国体]]護持」、「[[反共]]」、「反[[日本教職員組合|日教組]]」の三点である。典型的な団体名に“大日本”“護国”“(天)皇”“[[キク|菊]]”といった字句が入る事からもこれが窺え、また[[戦後民主主義]]の否定の延長で”“若い我々が旧体制を打破するのだ”という思想から“[[青年]]”を入れる団体もある。細かいところでは相違点を見せるがこの三点だけは共通している場合が多い。また、[[改憲|憲法改正]]、[[太平洋戦争]](一般的な右翼はこれを[[大東亜戦争]]と呼称する)の肯定・[[YP体制]]打破・[[靖国参拝|靖国神社参拝]]の支持なども挙げられる。一部左翼と保守勢力が頑なに否定してきた[[日本人拉致問題]]などでの従来の日本政府の[[外交]]政策における慎重な姿勢や中国・韓国への『謝罪外交』を批判することもある。政党に関しては、戦後最大の保守[[政党]]であり、長期間政権を保持している[[自由民主党 (日本)|自民党]]や[[民主党 (1996-)|民主党]]の右派(主に旧[[新生党]]・[[民社党]]系)を支持する者が多いが、天皇親政の立場から[[議会制民主主義]]打倒を唱えたり独自の[[民族主義]]政党([[維新政党・新風]]等)を組織する急進派も一部存在する。また、[[憲法改正論議]]では、アメリカによる「[[押し付け憲法論]]・安全保障上の問題点等を指摘して[[改憲]]を主張するものもいる。また近年では現行憲法無効論という独自の主張を唱える者も極少数ながら存在する。
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対外的には、当事国や日本の左翼勢力が「その責任は日本政府にある」とする[[2005年の中国における反日活動|2005年の反日デモ]]や前述の靖国神社問題、[[尖閣諸島]]の領土問題などから[[中華人民共和国|中国]]と[[中華民国|台湾]]、同じく[[反日デモ]]や靖国神社問題、[[竹島 (島根県)|竹島]]の領土問題などから[[大韓民国|韓国]]、[[日本人拉致問題]]などから[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]、[[北方領土]]問題などから[[ロシア連邦]]の5国を批判する事が多い。さらに反共のスタンスから[[ベトナム]]、[[キューバ]]、[[親米]]の立場から[[中東]]諸国、[[パキスタン]]、[[東ティモール]]なども批判の対象となることもある。
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ただし、[[アメリカ合衆国|米国]]や韓国に対しての認識は団体によって異なる。反共の立場から韓国を支持して来た右翼団体もあるが、冷戦終結後は[[靖国神社]]や[[歴史認識]]等を巡って、韓国の態度を批判する右翼が増えている。同様に、西側勢力にとって最大の脅威であった[[ソビエト連邦]]が解体されたため、現状の[[日米安保条約|日米安保]]体制は[[対米従属]]を推進させるだけだとして[[反米]]の立場を採った団体も在るが、中朝の軍事的脅威や、韓露と抱えている[[領土問題]]で日本が不利な立場に立たされている事を主張して、依然として[[親米]]の立場を採る団体もある。
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従来から反共のスタンスで[[中華人民共和国]]を否定し、[[中華民国]]を中国を代表する政府とするのが多くの右翼の立場であり、[[チベット独立運動]]、[[東トルキスタン独立運動]]を支持しているものもいる。しかし、近年は中華民国自体を否定し、[[台湾独立運動]]を支援する動きも見られる。これら活動の根拠として[[民主主義]]・[[人権]]・[[中国脅威論]]・[[民族自決]]などを唱えている。
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[[メディア (媒体)|メディア]]に対しては、リベラルな論調の傾向があるとされる[[朝日新聞]]や[[毎日新聞]]に対して、親中国・親朝鮮的な報道姿勢・[[1990年代]]の[[従軍慰安婦]]に関する一連の報道などから特に批判的である。また地方紙では[[北海道新聞]]、[[中日新聞]]が敵視されている場合が多い。保守的論調の傾向がある[[読売新聞]]・[[産経新聞]]に対しては、肯定的な考えを示すことが多いが、場合によっては批判することもある。また、[[日本経済新聞]]に対しては、近年における大企業の中国への進出から、中国への肯定的な報道姿勢に敵対心を抱く傾向が一部見られる。日本経済新聞の論調である[[グローバリズム]]・リバタリアニズムと、右翼の民族主義思想は基本的に相容れないものである。
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=== 歴史認識 ===
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典型的な右翼といわれる[[歴史認識]]は国体護持の立場から[[皇国史観]]を主張する。一方、[[五・一五事件]]、[[二・二六事件]]などの[[クーデター]]を支持し、戦時体制を社会主義とする立場から、大東亜戦争(太平洋戦争)に批判的な右翼も存在する。また、以下の歴史認識を持つ場合も一部の特定勢力から右翼と評されることがある。
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* [[大東亜戦争]]([[太平洋戦争]])について、「日本による侵略戦争」として全面否定する左翼に比して「自存自衛の戦争」と肯定的に評価する。[[コミンテルン]]により開戦させられたと主張する[[陰謀論]]者もいる。
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* 国内の教科書や国際社会において歴史的事実とされている「[[南京大虐殺]]」や「[[従軍慰安婦]]」の「[[強制連行]]」などに関して、捏造ないしは誇張された[[プロパガンダ]]であると主張する。
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上記のような理由から「[[教育]]の現場では[[日本の歴史]]の負の側面ばかりを誇張する[[自虐史観]]的な立場から[[子供]]達に教育がなされており、[[日章旗]]や[[君が代]]を蔑ろにする、自国に誇りと自信を持てない教育([http://www.geocities.co.jp/NeverLand/5533/kunitati-2.htm 国立二小事件]参照)が一部で行われている」と主張し、[[日本教職員組合|日教組]]等を批判する。
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=== 組織 ===
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日本の右翼は過去には左翼思想に対抗する存在として一定の組織力を持っていた。しかし、現在の狭義の右翼は独自の大衆運動を展開できるほどの組織力がなく、政治的な活動は保守系団体に依存する傾向がある。現状では全国に支部を展開する右翼団体はなく、[[自由民主党]]・[[民主党 (日本 1998-)|民主党]]の一部議員や、[[日本会議]]などの保守系組織、[[霊友会系教団]]など一部の保守系宗教団体と結びつきを持ちながら、緩やかなつながりを持っている。
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1960年代後半には、[[学生運動]]の高揚に対抗して[[民族派学生組織]]の活動が活発化し、[[日本学生会議]]・[[日本学生同盟|日学同]](2007年解散)・[[全国学生自治体連絡協議会|全国学協]]は、「[[YP体制]]打倒」を掲げ大きな影響力を持った。しかし組織的分裂もあって民族派学生組織の運動は退潮、1990年代以降は目立った活動をほとんどしていない。
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右翼系市民団体では、政治団体の[[維新政党・新風]]、新右翼の系譜を引く[[一水会]]などが比較的目立った活動を行っている。ほかに右翼団体の連合体である[[全日本愛国者団体会議]]、[[排外主義]](但し“[[親日]]”の人は除外)を主張する[[在日特権を許さない市民の会]]などがある。
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任侠系右翼では、戦前からの系譜を引く組織でも構成員数が三桁に達するところは皆無といっていい。ただし、任侠系はある程度組織が大きくなると部下に独立を促し別団体を結成させるため、個々の組織間の連携は密に取れている場合が多い。
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== 各国における近年の動向 ==
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=== アメリカ ===
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連邦政府の[[覇権主義]]政策を全面的に肯定する勢力があり、彼らは「愛国者」を自称している。一方、反連邦政府を掲げる州権主義者の流れも根強い。
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1980年代以降、特に2001年以後の[[アメリカ合衆国|米国]]では、ネオコンと呼ばれる[[新保守主義 (アメリカ)|新保守主義]]と[[キリスト教右派]]の台頭が顕著である。
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[[奴隷制]]の負の遺産として、[[白人至上主義]]が歴史的に存在している。また[[公民権運動]]の成果である[[マイノリティー擁護政策]]の反作用として、[[有色人種]]がターゲットにされる([[クー・クラックス・クラン|クー・クラックス・クラン (KKK)]] 、[[ミリシア]]など)。近年では同種の主張をする団体は、KKKも含め衰退の一途をたどっているが、保守的な傾向のある地域では上記のような差別思想が根深く残っている。
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2009年、史上初の黒人大統領[[バラク・オバマ]]が就任してからは、白人至上主義・人種差別主義者の活動が活発化していると評される<ref>[http://www.asahi.com/international/update/0620/TKY200906200158.html 米で人種・民族憎悪犯罪目立つ オバマ政権や不況影響か]アサヒコム2009年6月21日</ref>。
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=== 中国 ===
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[[中華人民共和国|中国]]においては、近年愛国的・反日的風潮が高まり、学生を中心とした大規模な[[反日デモ]]が発生した。「[[愛国無罪]]」を主張、日本大使館への襲撃などが特徴としてあげられる。政府もまた、[[格差]]拡大など[[社会問題]]のガス抜きとして、[[共産主義]]に矛盾しない形で愛国([[反日]])教育を推進している。また[[憤青]]と呼ばれる民族主義勢力の動きが注目された。
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=== 朝鮮半島 ===
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[[朝鮮半島]]においては、南北朝鮮政府が異なった政治体制を敷き、その内容、実態には大きな開きがあるものの日本の朝鮮統治に否定的な点では共通している。民族分断という現実から、その遠因であるかつての日本の朝鮮併合統治を植民地支配として糾弾することで、愛国心や統一への機運を盛り立てるために、政府が積極的に宣伝・教育を行ったためである。もともと韓国の右翼は反共という共通目標から日本の右翼と親しい関係にあった。[[竹島 (島根県)|竹島]](朝鮮名・独島、英名・リアンクール岩礁)帰属問題や[[小泉純一郎]]など日本の政治家の[[靖国神社]]参拝問題、[[慰安婦]]問題などでは、政治的な右翼・左翼を問わず、多くの国民が共通の立場に立つ。長い間[[反共]]の砦だった[[韓国]]でも、比較的親北の[[盧武鉉]]が元首の座に就いたことがあったりと、ねじれ現象も起きている。したがって、左右の軸となるものは日本及び他国とは大きく異なる。
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=== EU諸国 ===
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[[欧州連合]](EU)では、[[ホロコースト]]の惨禍への反省からドイツを中心にナチズム規制、また排外言動を犯罪と定義するなどが進み、極端な右翼は少数派にとどまる。一方、近年では[[EU拡大]]などにより移動の壁が取り払われた結果域内への外国人流入が進み、仕事を奪われるなどの不安感から移民が[[スケープゴート]]にされやすく、各国で右翼勢力の存在感が高まっている。なお、イタリアの[[北部同盟 (イタリア)|北部同盟]]やオランダの[[ピム・フォルタイン|フォルタイン党]]、スペインの[[ETA (民族組織)|バスク祖国と自由]]などは反移民を主張することから右翼政党と定義されやすいが、これらの政党は[[反グローバリズム]]・[[地域主義]]色が強く、国家を地盤とした既存の右翼勢力と一緒くたにする事は適切ではない。
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欧米においては[[ファシズム]]やその傍流を主張する勢力も「戦前への回帰」という点や、その主張が現代の基本的な政治的選択肢から著しく逸脱した主張を行う事から右翼、ないし極右と評価される事が多い。彼らはポスト・ファシズム、或いは[[ネオ・ファシズム]]と呼称され、いわゆる[[ネオナチ]]も「ドイツにおけるネオファシズム」と分類される。ただし、必ずしもファシズムはその理論的基礎に社会主義の理念を多分に含んでいる為、一概にその政策が[[保守主義]]的であるとは限らない。
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==== ドイツ ====
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[[ドイツ]]の右翼は、[[ネオナチ]]の勢力が最も有名であるが、[[ナチズム]]に対して否定的な右翼もいる。[[ナチス]]系の右翼にはナチス的だが反ヒトラー派があり、また[[コンスル (テロ組織)|コンスル]]などの流れを引く右翼は反ナチ系の極右である。なお、ネオナチは[[トルコ]]等からの移民を攻撃対象にする傾向にある。
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==== イタリア ====
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[[イタリア]]における新しい右翼思想として、ネオファシズムが勃興している。その影響で[[ベニート・ムッソリーニ]]の再評価も行われた。旧「[[君主党]]」など、[[王政復古]]を目指す[[王党派]]も存在し、両者はしばしば協力するが、完全に一致している訳ではない。
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==== フランス ====
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[[ジャン=マリー・ル・ペン]]率いるフランス[[国民戦線]]が近年伸張著しい。同政党は[[移民]]、とりわけ旧植民地の[[アラブ]]系とアフリカ系黒人の排斥、人工妊娠中絶反対を唱えている。
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==== イギリス ====
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イギリス[[国民戦線]]が存在し、外国人移民排斥や[[アイルランド]]奪取などを訴えている。[[保守党 (イギリス)|保守党]]系列のテロ集団[[アルスター義勇軍]]などもある。
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==== ベルギー ====
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ネオナチ政党「フランデレンの利益」が台頭しつつある。国政においても一定の勢力(議席・支持者)を持つ。
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==== オーストリア ====
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1986年、元ナチス将校であった[[クルト・ヴァルトハイム]]が大統領となり、欧米で問題視された。[[1989年]]連立内閣の一員であった[[オーストリア自由党]]党首に親[[ナチ]]の[[イェルク・ハイダー]]を選出して、[[オーストリア]]がヨーロッパから孤立しかけた。後に連立解消するが、現在でも自由党および自由党から別れた[[オーストリア未来同盟]]は一定の議席を持ち、ケルンテン州では与党になっている。
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==== スペイン ====
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1936-39年の[[スペイン内戦]]では、ドイツ・イタリアがファシズムにきわめて親和的な[[ファランヘ党]]などの反共和国勢力を支持した。また他のヨーロッパ諸国も不干渉を口実に傍観した。共和国政府を倒し勝利した[[フランシスコ・フランコ・バハモンデ|フランコ]]は、第二次大戦においては、[[枢軸国]]との距離をおいて中立を宣言し、難局を乗り切った。欧州にあって例外的に1975年まで円満に政権を維持した。そのファランヘ党の系譜を引く[[国民党 (スペイン)|国民党]]が1996-2004年政権を担当しており、現在も強力な野党である。
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=== ロシア ===
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ネオナチの勢力が強く、外国人への襲撃が後を絶たない{{要出典|date=2008年7月}}。政界では[[ウラジーミル・ジリノフスキー]]率いる[[ロシア自由民主党]]が[[ロシア]]国内である程度の認知を受けている。[[アラスカ]]返還論、[[核攻撃論]]、[[北方領土]]非返還論を唱え、その強硬さが却って国民受けしている。[[プーチン]]政権下では「強いロシア」が掲げられ資源外交や愛国的姿勢([[ナーシ]]など)が目立ち「右翼的」傾向が指摘される。2008年[[ドミトリー・メドヴェージェフ|メドヴェージェフ]]大統領が当選した(ただし先代大統領の[[ウラジーミル・プーチン|プーチン]]も首相のポストを得ており今後の行方が注目される。メドヴェージェフ本人はリベラリストとされる)。
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=== 中東 ===
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[[イスラーム|イスラム]]社会の[[世俗化]]、[[西欧化]]に対抗する形で、[[イスラム原理主義]]が一定勢力を持っている。また[[パレスチナ問題]]の未解決は[[イスラエル]]寄りとされる米国への不信感を招き、[[反米]]の様相を呈す一因となっている。([[ハマス]]、[[ヒズボラ]]、[[ムスリム同胞団]]、[[タリバン]]など)。近年には[[イラク戦争]]を嚆矢としてこれに[[対テロ戦争]]が加わった。[[イラン]]では核問題などと絡み[[アフマディネジャド]]大統領など強硬的言動を行う政治家が存在する。
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なお、歴史的にキリスト教徒の多かったレバノンにおいては、[[マロン派]]キリスト教徒の一部が自分達の[[アイデンティティ]]を[[アラブ]]よりも欧米に求める風潮が強く、フェニキア主義と呼ばれる独特の宗派主義が生まれた。こうした政治家や政治団体は1980年代までレバノンの国政に大きな影響力を与えており、現実的な利権も絡んで1975年の[[レバノン内戦]]につながった。
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=== イスラエル ===
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[[旧約聖書]]などユダヤ聖典で唱えられる、「[[約束の地]]」は全てイスラエルのものであるとする大イスラエル主義思想が、右翼政党「[[イスラエル我が家]]」や[[ユダヤ教原理主義]]聖職者のみならず、政権党[[リクード]]内部にも存在している。彼らは、自分たち'''イスラエル'''は世界中から[[ユダヤ難民]]を受け入れたのだから、[[アラブ世界]]が[[パレスチナ難民]]を収容すべきだと、主張する。また、[[パレスチナ]]などもともと存在しないのだから、イスラエルに住む[[アラブ人]]は全員[[市民権]]を剥奪するか、[[国外追放]]すべきであるという主張も一部で支持されている。イスラエルにおける右翼の代表的人物に[[メイル・カハネ]]([[カハネ主義]])、[[モーシェ・ファイクリン]]などがいる。
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== 脚注 ==
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<references />
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== 関連項目 ==
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* [[左翼|極左]] - [[左翼]] - [[中道左派]] - [[中道政治|中道]] - [[中道右派]] - '''右翼''' - [[極右]]
+
* [[民族派]]
+
* [[青年民族派右翼]]
+
* [[新右翼]]
+
* [[新保守主義]]
+
* [[国家社会主義]]
+
* [[ネオナチ]]
+
* [[右翼団体]]
+
* [[宗教右派]]
+
* [[ネット右翼]]
+
** [[2ちゃんねらー]]
+
* [[右翼トロツキスト陰謀事件]]
+
 
+
{{DEFAULTSORT:うよく}}
+
[[Category:政治的右翼|*]]
+
[[Category:政治的スペクトル]]
+
 
+
[[ca:Dreta]]
+
[[cs:Pravice]]
+
[[da:Højreorienteret]]
+
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+
[[el:Δεξιά (πολιτική)]]
+
[[en:Right-wing politics]]
+
[[es:Derecha política]]
+
[[fi:Oikeisto]]
+
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+
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+
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+
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+
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+
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+
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+
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+
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[[zh:右派]]
+
[[zh-min-nan:Iū-phài]]
+

2009年12月19日 (土) 15:25時点における版

本項目「右翼 (政治)」は、先編集権が主張されています「同意を得ないリバート」「記事の置き換え・白紙化」等の不正改竄は荒らしとみなされブロックされますので、ご注意ください。また、このテンプレートを剥す行為も荒らしとみなされますのでご注意下さい。どうしても自分の意に沿う編集をされたい場合は「右翼 (政治) (2)」という様な感じでフォークを立てて下さい。

右翼(うよく)とは、鳥類航空機の右側の翼のことである。対義語は左翼

鳥類においては、心臓より遠い右翼が左翼に比べて血圧が低いとされる。そもそも翼はその面積に比して体積が小さいことから表面からの熱放出が大きい。さらに陸上では翼は運動せず、しかももっとも外気に触れやすい場所にある。そのため右翼末端の毛細血管は全身の中でもっとも冷たくなり、血流も悪くなる。寒冷地域ではこれを解消するために、鳥類はしばしば翼をばたつかせる。このとき、心臓より遠い右翼を左翼より余計にばたつかせることが知られている。種によっては、飛行時以外は右翼の先端を左翼の下にしまう形にしているものもある。

航空機においては、機長コックピットの左側に座る。つまり右翼の先端部は、機長を通り進行方向に平行な直線からもっとも遠い場所となる。そのため機体感覚に乏しい機長が狭所飛行を行う際には、右翼の先端を障害物に接触させることがある。とくに大型の航空機や、狭所飛行の必要がある場合は、右翼先端部にカメラを設置し、接触事故を防止することもある。