上野消火器商一家殺人事件

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上野消火器商一家殺人事件(うえのしょうかきしょういっかさつじんじけん)とは、1974年昭和49年)に東京都台東区上野で発生した、一家4人と知り合いの男性の合わせて5人が惨殺された事件である。

事件の概要[編集]

1974年2月7日消火器商の親戚によって一家4人と、以前に消火器商のもとでアルバイト勤務していた国鉄職員の男性が殺害されているのが発見されたが、その現場は凄惨を極めていた。特に社長(当時71歳)は頭を鈍器で殴られ致命傷を受けていたうえに、首をビニール紐で縛りつける念の入りようであった。当初、警察は一家心中を疑っていたが、タンスの中身が全てぶちまけられている様子から、複数による物取りもしくは怨恨の犯行であるとして捜査した。室内にあった犯人の脱ぎ捨てた衣類から身元が判明し、消火器商で以前セールスマンとして働いていた男性(当時36歳)と、知り合いのとび職の男性(当時39歳)が逮捕された。

犯行の動機[編集]

元セールスマンの男性は、消火器商の男性に父親の得意先を横取りされたとの恨みを26年間も持ち続けていたと供述。境遇がよく似ていたとび職の男性と意気投合し、元セールスマンがリードする形で励ましあいながら、殺害に5時間、物色に8時間かけたという。いわば怨恨と物取りが渾然一体になった犯行であった。

贖罪[編集]

犯人の2人はともに強盗殺人罪などで起訴され、いずれも責任が重大として3審とも死刑が言い渡され、1979年12月25日最高裁で死刑が確定した。事実関係に争いが無く、二人は淡々と刑の宣告を受け入れたが、元セールスマンの男性はとび職の男性を巻き込んだことを後悔していたという。2人は共に1986年5月20日に死刑が執行された。