士業

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士業(しぎょう・さむらいぎょう)とは、日本における「-」という名称の専門資格職業の俗称である。

概要[編集]

士業には、高度な専門性を要求される職業が多く、呼称は、その高度な専門性から取得難度の厳しい資格の名称の末尾に「士」の文字がついている場合が多いということに由来している。広義においては「-」だけに限らず、「-」との名称である資格も含むことがあるため、「士師業」「師士業」などとも呼ばれる。

資格は、無資格者の実施が禁止されている業務を行うことが許可される業務独占資格と、その名称を用いて業務を行うことが許される名称独占資格とに分かれる。国家資格については、資格の認定(すなわち当該資格を保有することについての専門性の認定)が法的に担保されるとともに、その多くにおいてこれらの独占性が法的に担保されるものである。

一方、民間資格は、独占性を法令上認められるものではなく、当該資格を保有することが一定の専門性を有することを認定するものである。

士業の多い分野として、司法会計不動産建築土木医療福祉などがある。特に医療、建築は、業務が対象者の生命身体精神生活に直接関わるとともに、公共の安全にも重大な影響を与えるため、社会的責任の大きな士業として免許を得るための国家試験についての受験資格を得るだけでも数年を要するものが多い。

なお、士業には営利目的ではなく職能であるという意味がこめられている。従って一部の士業では、株式会社を始め普通法人などを設立・兼業する事が許されていない。また、各士業が所属する団体に職能団体がある。

8士業[編集]

士業のうち、戸籍・住民票などについて、職務上必要な場合において行う請求権が認められている主要なものは8士業と呼ばれることがある。

専門職者による士業合同相談会等においては、下記の8士業が含まれることが多い。

なお、これらの士業においては、文部科学省において高度専門職業人とされたり、労働基準法における高度な専門知識を有する者とされる等、法令上特別な扱いがされるものも多い。

就職できない! 食えない! 会計士、税理士、弁護士・・・「士業」総崩れ[編集]

かつては試験は難関だが、合格すれば高額な報酬を得られると人気だった公認会計士税理士弁護士といった「士業」が「総崩れ」している。

たとえば、公認会計士試験2006年社会人など多様な人材の受験を促すため、大幅に簡素化したものの、資格を得るために必要な、肝心の就職先が見つからない。「旗振り役」だった政府もさすがに掲げた合格者目標などを見直さざるを得なくなっている。

日本弁護士連合会によると、弁護士の人数は現在3万2088人(2012年3月末)。公認会計士は3万2985人(13年3月末、、日本公認会計士協会調べ)。税理士は7万3725人(同、日本税理士会連合会調べ)となっている。

ちなみに、司法書士は2万0670人(12年4月1日時点)。行政書士は4万2177人(同)いる。行政書士を除き、どの「士業」もこの10年は増加傾向にある。

そうしたなか、景気低迷の影響もあって、就職できない「サムライ」が増えていて、問題視されている。たとえば、公認会計士が最終的に資格を手にするためには2年以上の実務経験が必要。

ところが、一般企業で会計士試験の合格者を採用する割合はきわめて低い。試験に合格したからといって就職に有利に働くこともなく、監査法人にも就職できない合格者は就職先が見つからず、そのために資格も得られないという人が増加。事態は深刻化している。

週刊エコノミスト」(2013年4月16日号)は、「食えない税理士・会計士」を特集。そこでは、「税理士によって得意分野がある」ことが指摘されていて、取材を受けた税理士が相続申告などでのミスが少なからずある、と証言している。

企業会計では、公認会計士は大手企業の法定監査と税務申告が主たる業務。それ以外の登記法務や行政法務、税務などは税理士や司法書士、行政書士が業務を行える。大手企業の法定監査以外の会計税務の多くは税理士が請け負っているので、そう考えるとそもそも公認会計士を増やしても仕事が増えるわけではなかった。

もちろん、公認会計士が税理士の仕事(登録が必要)をできないわけではない。つまり、「士業」同士で仕事の奪い合いが起こっていて、どの「サムライ」も仕事を確保するのに躍起になっているようなのだ。

弁護士も例外ではない。日本弁護士連合会によると、2012年12月に司法研修所を卒業した2080人のうち、裁判官検察官になる人を除いて、約540人がこれまでに弁護士会に登録しなかった。全体の4人に1人にのぼり、これまでに最多だったという。

弁護士事務所に就職したり独立して事務所を開いたりできず、入会金や会費を払えないために弁護士会への登録をあきらめた人が多いのではないか、と日弁連はみている。

日弁連はこれまでも「司法試験の合格者数が多すぎる」と訴えてきたが、政府も司法試験の合格者数を「年3000人程度」とした目標の撤廃や法科大学院の統廃合など、是正に向けて検討に入っている。

ただ、「士業」を取り巻く厳しい環境は「就職難」だけではない。今後ますます「食えなくなる」背景には環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)がある。

日本税理士会連合会は、「日本経済の発展に資するものであるなら異論はない」との立場だが、一方でTPPの協議で税理士制度の自由化が対象になることを懸念している。

会計士や税理士、弁護士の「自由化」は、TPP加盟国同士が自国の国家資格の保有者が互いに活動することを認め合う。言語の壁などがあるものの、米国の弁護士が日本で訴訟活動ができるようになるかもしれない。会計士や税理士も同様だ。

もちろん、逆に日本の公認会計士が海外で活躍できる可能性もあるわけだが…

士業の種類[編集]

司法・法律系
会計・コンサルティング系
不動産・建築系
土木・技術系
語学系
医療・福祉系

関連項目[編集]