女体化

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女体化(にょたいか)は、男性の体が突然、女性の体になる架空の現象のこと。やおいで使われる用語の1つ。

しかし、女体化(にょたいか)には現在複数の意味が存在し、未だ明確な区分けが出来ていないのが現状である。

女体化の示す意味と現状[編集]

やおい系の二次創作などで性関係を描写する際、受側の肉体を女性に変換、場合によっては精神的な性別も女性に変換して、男女関係を描くと言う意味を持ち、やおいジャンルで成長を遂げたものである事は確かなようだ。

女装までを含む女子化(じょしか)といわれるやおいのジャンルで、ブームの終焉に現れる」として阿部川キネコ辣韮の皮でも触れられていた。

大別すると女体化には二つの流れがある。

  1. 後天的女体化何かしらの要因で一方が女性体となり、元来男性同士の受と攻が一般男女と同じ様に愛を交わす。
  2. 先天的女体化受は当初より女性として描かれ、基本設定以外は生来の女性に属するものとして描かれる。 特にパラレルと呼ばれることもある。

パロディに限らず、歴史上の人物やドラマの役者と言ったナマモノにも用いられる。

また、子供を作り二世の話を展開する例も見られる。

攻めも受けも女体化させて、所謂「ガールズラブ」として楽しむ人もいる。

女体化をやおいの1ジャンルとする説に異論もある。実際、「女体化はやおいと分けてほしい」と思っている人も少なくない。

ちなみに、逆に女性を男性に変える「男性化」というのも少数だが存在する。

用語の再分類の動き[編集]

この女体化12はともに女体化というものに属さないのではとして、再分類しようとする動きがある。

目下のところ同人誌のジャンル分けを見る限り、この1の意味合いで女体化は語られていることが多いわけだが、女体化1において、フィクション上の性転換を扱うと言う点ではTSFと共通するとして、女体化1TSFに含めようと言う動きがある。

実際、1999年から2002年あたりにかけTSFの始祖的な存在である、少年少女文庫において、幾度か女体化ジャンルと提携しようという動きがあった。 もっとも、女体化側が少年少女文庫はオリジナル分が多いためやりにくいとしてこれに応じず、話はその度ごとに立ち消えとなっている。 これにはTSF側が性別変化の現象自体に比重を置いているのに対し、女体化側は性転換後の恋愛模様(特に男性を相手にしたもの)に比重を置いているという客層のズレもあったようだ。


女体化2においては、以前より捉える立場に争いがあるが、明確な結論はまだ出ていないのが現状である。

  1. 「~が人間の(少)女だったら」という萌え系擬人化の隆盛が背景として存在している点から、これは擬人化の一環であり女体化ではないと捉える立場。
  2. 曲亭馬琴による水滸伝の翻案『傾城水滸伝』のように擬人化の隆盛以前より存在するためこれこそが女体化だと捉える立場。
  3. 物語の一部を他のものと見立て、それを置き換え物語を再構成する手法は物語の本歌取りとして見るべきであって、定義されていない新たなジャンルと考える立場。
  4. この見立て自体が、若衆女郎のように陰である女のケガレを陽である男の力で払うという類感呪術的な思考から来るもので、女体化ではなく人類が前歴史的にもつ元来別のものなにかと捉える立場。

考察[編集]

女体化を行う要因としては女体化がいわゆるドリーム小説と同様、女性化した男性に自身を仮託し、作品内の男性と疑似恋愛を行なっているとの意見がある。


また、作品中のメインヒロインが女性から見て魅力的ではない場合、若しくは魅力的な女性キャラが少ない場合に良く起こるので、単純に作品中の恋愛要素の少なさに対する読者の不満がこういった形で表れていたり、同性愛の性行為描写が、生理的に苦手な人がこのケースに走ったりする。また、女装をさせる際に女性特有の体型がなければ華やかにならないとして、深く考えずに女体化する作家もいるので、現在その要因は千差万別であると言える。


女体化によって生まれる効果としては、作品世界をなるべく壊さずにオリジナルな展開を続けられると言う点があげられる。


唐沢俊一氏は以前より著書でやおい及びBLについて、これらは女性が自らの女性性を嫌悪した結果生み出されたいう旨の持論を述べているが、女体化というジャンルの存在は、やおい・BL流行の理由が氏の述べる理由だけでは説明出来ないという事実を証明している。(BLに関心がない男性のオタクにとって、氏の知識は一定の信頼があり、氏の説を鵜呑みにする者も多い)

女体化に関する論考[編集]

  • 西村マリ 『アニパロとヤオイ (オタク学叢書)』 2001/12 (太田出版
  • 岡田斗司夫 『国際おたく大学―1998年 最前線からの研究報告』 1998/07 (光文社
  • 植島啓司 『男が女になる病気』 1998/05 (集英社

関連項目[編集]

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