直木三十五賞

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直木三十五賞(なおきさんじゅうごしょう)は、大衆文学の新人に与えられる文学賞。通称は直木賞

沿革[編集]

文藝春秋社菊池寛が、友人の直木三十五を記念して、1935年(昭和10年)に芥川賞とともに創設し、以降年2回発表される。

授賞する作品は選考委員の合議によって決定され、受賞作は『オール讀物』に掲載される。第6回から、財団法人日本文学振興会により運営されている。第二次世界大戦中の1945年から一時中断したが、1949年に復活した。

2007年現在の選考委員は、浅田次郎阿刀田高五木寛之井上ひさし北方謙三林真理子平岩弓枝宮城谷昌光渡辺淳一の9名。選考会は、料亭・新喜楽の2階で行われる(芥川賞選考会は1階)。

傾向[編集]

対象は新人による大衆文学作品であり、芥川賞とは密接不可分の関係にあると言えるが、新人賞としては事実上として芥川賞を上回る最高の権威となり、また特に大衆文学の場合には直木賞受賞後文筆によって生計を立てるに充分な筆力が勘案されがちなこともあって、現在では実質的に中堅作家に対する賞となり、文学界の有望新人を発掘する為の賞としての機能は事実上喪失しているに等しい。

だがそれゆえに選考が慎重を極める事で、とうに著名な人気作家となってからいわゆる「遅すぎる受賞」となる者が多く、この点で議論が巻き起こる事が多いのも事実である。また、過去には、約30年のキャリアを持つ人気脚本家で、還暦を超えて作家活動に転ずるや時代小説界に一大センセーションを巻き起こした隆慶一郎について、「小説家としてのキャリアが短い」「まだ次がある」などと評して落としていたところ、作家活動実働5年で隆が急逝してしまい、授賞の時期を逸してしまったという例もある。

傾向として文藝春秋が刊行する小説に多く授賞している。また全体的に推理小説SFファンタジーを活動分野とする作家が受賞しにくい傾向にあることは、昔から指摘されている。そのため筒井康隆が直木賞の選考を揶揄した『大いなる助走』を文藝春秋に連載したことがある。これにはそれらのジャンル小説に対する文学性の視点のほか、ジャンルそのものに対する選者の嗜好や理解度の問題がある。


受賞作一覧[編集]

第1回~第10回[編集]

  • 第1回(1935年上半期) - 川口松太郎「鶴八鶴次郎」「風流深川唄」「明治一代女」
  • 第2回(1935年下半期) - 鷲尾雨工『吉野朝太平記』その他
  • 第3回(1936年上半期) - 海音寺潮五郎「天正女合戦」「武道傳來記」
  • 第4回(1936年下半期) - 木々高太郎「人生の阿呆」
  • 第5回(1937年上半期) - 該当作品なし
  • 第6回(1937年下半期) - 井伏鱒二『ジョン萬次郎漂流記』その他
  • 第7回(1938年上半期) - 橘外男『ナリン殿下への回想』
  • 第8回(1938年下半期) - 大池唯雄「兜首」「秋田口の兄弟」
  • 第9回(1939年上半期) - 該当作品なし
  • 第10回(1939年下半期) - 該当作品なし

第11回~第20回[編集]

  • 第11回(1940年上半期) - 堤千代「小指」その他、河内仙介「軍事郵便」
  • 第12回(1940年下半期) - 村上元三「上総風土記」その他
  • 第13回(1941年上半期) - 木村荘十「雲南守備兵」
  • 第14回(1941年下半期) - 該当作品なし
  • 第15回(1942年上半期) - 該当作品なし
  • 第16回(1942年下半期) - 田岡典夫「強情いちご」その他、神崎武雄「寛容」その他
  • 第17回(1943年上半期) - 受賞者なし(山本周五郎の「日本婦道記」が選ばれたが、辞退)
  • 第18回(1943年下半期) - 森荘已池「山畠」「蛾と笹舟」
  • 第19回(1944年上半期) - 岡田誠三「ニューギニヤ山岳戦」
  • 第20回(1944年下半期) - 該当作品なし

第21回~第30回[編集]

第31回~第40回[編集]

第41回~第50回[編集]

第51回~第60回[編集]

第61回~第70回[編集]

第71回~第80回[編集]

第81回~第90回[編集]

第91回~第100回[編集]

第101回~第110回[編集]

第111回~第120回[編集]

第121回~第130回[編集]

第131回~[編集]


テレビ[編集]

外部リンク[編集]

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