補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律

提供: Yourpedia
移動: 案内検索

補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律は、日本の法律。

概要[編集]

補助金等の交付の申請、決定等に関する事項その他補助金等に係る予算の執行に関する基本的事項を規定することにより、補助金等の交付の不正な申請及び補助金等の不正な使用の防止その他補助金等に係る予算の執行並びに補助金等の交付の決定の適正化を図ることを目的とする。

施行は1955年

不正な手段によって補助金について刑事罰が規定されている。

「空き家はカネになる」食い物にされた100億円補助事業の甘さ[編集]

住宅総数に占める「空き家」の数を表す空き家率が13%に達するなど社会問題化する空き家。

高齢化や過疎化を背景に次々と生まれ、管理が行き届かず老朽化して放置され、倒壊したり火災が発生したりする恐れもあるという。空き家問題の解消は自治体などにとって切実だが、この対策に絡んだ事件が大阪で発覚した。空き家解消を促進するために設けられた国の補助金をめぐり、人が住んでいるのに空き家と偽って不正受給したとして2014年5~6月、住宅コンサルタント会社社員の男(50)が大阪府警に逮捕された。

毎年度100億円もの巨額を計上する補助金制度にもかかわらずチェック体制が甘く、申請書に添付する空き家の写真を使い回すという単純な手口で、少なくとも計約2200万円の補助金がだまし取られた。

大阪市城東区のとあるアパート。8部屋の間取りは1DK、2K、3DKとさまざまだが、いずれも空き部屋だとして、補助金の申請書が提出された。

申請書にはそれぞれ、リビングとキッチンという組み合わせで写真が2枚ずつ添付されていた。しかし、目をこらしてみると、角度や光の当たり方こそ違え、部屋の特徴は酷似していた。それもそのはず、同じ部屋で撮影した写真を使い回していたのだから。

「空き部屋が1つなのに空き部屋を水増しして補助金を受け取っている」。

国土交通省にこんな内容の「告発メール」が届いたのは、2013年4月のこと。

補助金は、同省の「民間住宅活用型住宅セーフティネット整備推進事業」。賃貸住宅の空き家解消を目的に導入されたもので、入居者を募集しながら3カ月以上住人のいない賃貸住宅について、耐震化やバリアフリー化をしたり、太陽光発電パネルを設置したりする工事費用の3分の1を補助する。

「告発」を受けて同省が調査したところ、大阪府東大阪市のアパートで不正が判明。アパートに太陽光発電パネルを設置するとして、工事費は4500万円で、全18部屋のうち空き部屋は15部屋だと偽り、1部屋あたり上限いっぱいの100万円で計1500万円の補助金が交付されていた。しかし、実際の空き家は1部屋だけ。計1400万円が水増し請求だった。

東大阪市のアパートで「空き家」として補助金の申請に使われたのは、住人が入居する前の部屋を撮影した古い写真だった。また、実際に空き部屋だった他の部屋の写真を使い回したケースもあった。いずれにせよ、アパート所有者が過去に撮影し、保管していた写真を悪用し、入居者がいるはずの住居について「空き家」と偽っていた。

この申請について、府警は、住宅コンサルタント会社社員の男と、アパートを所有する大阪府守口市の不動産会社社長(36)が不正に補助金を受け取ったとして5月28日、補助金適正化法違反で逮捕した。

府警によると、2人は不動産オーナー向けのセミナーで知り合った。その後、会社社長が所有する東大阪市内のアパートに太陽光発電パネルを設置し、費用1500万円の全額を補助金でまかなおうと画策。

補助事業では、空き部屋1室あたり上限100万円が補助される。このため、工事費1500万円を満たすように、アパートの全18部屋中空き部屋は1部屋しかなかったのに、15部屋が空き部屋と偽装した。また、工事費用全体の3分の1が補助されるという決まりもあったため、工事費用を総額4500万円と偽ったという。

府警はこの事件の摘発後も捜査を進め、住宅コンサルタント会社社員の男について6月25日、城東区のアパートでも、太陽光パネル設置工事の補助金申請の際、空き家8部屋をでっち上げる同様の手口で補助金800万円をだまし取ったとして、再逮捕した。

国の空き家対策事業が狙われたのだが、空き家問題が全国的な課題となる中、“うま味”があると思われたのだろうか。

総務省の住宅土地統計調査によると、平成20年の全国の空き家数は756万7900戸。過去20年間で2倍近くに増加した。空き家率は13.1%にも上る。

空き家増加の背景には、少子高齢化がある。高齢になった住人が施設に入居するなどして空き家になったり、相続された住居が維持管理の難しさや改修費用がかかるなどの理由から捨て置かれて発生。そのまま放置されるなどの例が目立っているという。

また、税制上、住宅用地にかかる固定資産税は、敷地面積が200平方メートル以下であれば6分の1、200平方メートルを超える部分は3分の1に減額される。住宅を取り壊して更地にすると、住宅用地ではなくなるため、この減免措置を受けることができなくなるといい、これも空き家の増加を助長する一因となっているとみられる。

空き家は景観の悪化やゴミなどの不法投棄の原因となるだけでなく、災害時に倒壊して避難経路をふさいだり放火などの犯罪を誘発するといった防災・防犯上の危険をはらむ。それだけに近年、各地の自治体が対策に頭を悩ませている。

国交省によると、2013年10月時点で全国272自治体が、空き家の所有者への指導を強化するなどの内容を盛り込んだ条例を制定している。

今回悪用された補助事業は、賃貸住宅の空き家解消を目的に国土交通省が24年度から開始。24~26年度のいずれも事務事業者として「URリンケージ」(東京都中央区)が選定され、毎年度100億円の補助金が計上されていた。

これだけの巨額の補助事業で、なぜ、写真を使い回すなどの単純な手口での不正がまかり通ったのか。

同社は「申請者の大半が個人のため件数が膨大で、書類で判断せざるを得なかった」と釈明する。

同社は補助金の交付規定で、書面による審査の際に「現場検査を求める(行う)ことがある」としていた。しかし、24年度でみると、交付総数5833件のうち現場検査をしたのは0.5%の32件。ほとんどは書面のみで交付が認められていた。

同省が24年度分を調査したところ、不正は35件確認された。同省安心居住推進課は「悪意に基づいた虚偽の申請が行われるとは予見していなかった。極めて遺憾だ」とする。

しかし、近畿大法科大学院村上武則教授(行政法)は「事業者だけでなく国も補助金が適切に交付されているかチェックする責任がある。不正の可能性も当然考慮すべきで、予見していなかったとすれば危機意識が欠如していたと言わざるを得ない」と指摘している。

構成[編集]

  • 第一章 総則(1 - 4条)
  • 第二章 補助金等の交付の申請及び決定(5 - 10条)
  • 第三章 補助事業等の遂行等(11 - 16条)
  • 第四章 補助金等の返還等(17 - 21条)
  • 第五章 雑則(21条の2 - 28条)
  • 第六章 罰則(29 - 33条)
  • 附則

関連書籍[編集]

  • 大鹿行宏「補助金等適正化法講義」(大蔵財務協会)

関連項目[編集]